【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第34章 ふるやれい 7さい
ポアロでのカフェを終え、阿笠邸に帰宅した博士と少年探偵団。
留守番をしていた灰原哀は、リビングをウロウロしながら何か探し物をしている様子だ。
「灰原。何か探し物か?」
コナンがそう聞くと、灰原はキョロキョロと辺りを見渡しながら探している物の名前を言う。
「ええ。ここに置いていたピルケースを…」
「おお!それならワシが持ち出していたぞ!
ちょうど腹の調子が悪くてのお…」
ほれ。と言いながら博士は自分の鞄から持ち出していたピルケースを出して灰原に手渡した。
「いいけど、飲んだのはこの白いカプセルの胃薬だけよね?!
他の薬は飲んでないでしょうね?」
「ワシは胃薬だけじゃよ。
あ、そういえば体調が悪いと言っていた安室くんに風邪薬を一錠渡したよ」
「風邪薬って…まさか…」
「あぁ。このピンクと白のカプセルじゃ」
あっけらかんとそう答えた博士だが、みるみるうちに灰原の表情が青ざめて行く。
「な、なにやってるの!!?
これは風邪薬じゃなくて、APTX4869の試作品!
解毒薬の成分を研究するために作った正真正銘、身体が縮む薬よ!?」
「「ぇえぇえええ!!!」」
灰原のその言葉に、阿笠博士とコナンは思わず大きな声で驚いた。
「はやく!はやくその安室って人に連絡して、飲まないように言って!!」
「わっ、わかった!!」
灰原に怒鳴られた阿笠は慌ててスマホを取り出し、安室透に着信を飛ばす。
「おいおい…もしこれで安室さんの身体が縮んだら…」
「ええ。私やあなたが幼児化していることに気付くかもしれないわ!」
コナンと灰原。
二人の切羽詰まったやり取りのすぐ隣で、顔を真っ青にした阿笠が電話口に話し出した。
「もしもし!安室くんか?……」