【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第32章 Precious
零はちゃんと予想をしていたようで、はははと笑いながら言った。
「まあ、それが愛の告白でもどの道ダメですよ。
涼宮が配属されたのは一週間公安の業務を学んで、アメリカに研修に行くためだろ?
仕事のパートナーにもなれません。」
「バレてたの?
なーんだ。警察学校の卒業式のとき、告白した私を振った降谷くんを見返してやろうと思ったのに」
「え…それじゃ涼宮さん…」
「ええ。明日からアメリカのFBIに研修に行くの。」
な、なんだ…
またわたしの取り越し苦労なの?!
はぁあっと身体の力が抜けたわたしはその場でへたりと座り込んだ。
と同時に、安堵が押し寄せてくる。
「良かった…零」
そう言って、両手を口元に当ててふぅーっと安堵のため息を吐いた時、涼宮さんもかがみながらわたしの顔を覗き込んだ。
そして、ふふっと笑いながら言う。
「…でも。気に入った。リラちゃん。
一途な女の子、私好きよ?」
「そ、それはどうも…」
彼女の 好き の重みがわからないわたしは、とりあえずお礼を言いながら頭をぺこぺこする。
すると、涼宮さんはさらに意味不明な事を言い出す。
「私、女の子でも美味しく食べられるの」
「へ???」
女の子でも美味しく食べられるとは????と、またよく分からないことに首を傾げていると、隣で零がムッと口をへの字に曲げた。
「女の子とするSEX、教えてあげようか?
多分、降谷くんより上手だよ?私
リラちゃんのこと、満足させられる自信ある。」
「うえぇええ?!」
「だ め だ!!!」
まさかの打診に開いた口が塞がらないわたし。
今度は零がわたしたちの間に割って入り、わたしを身体の後ろに隠す。
一瞬で零にとって涼宮さんは危険人物のリストに載ったらしい。
「ふふ。じゃあねー。
またアメリカから戻ったら連絡するわ
普通のSEXに飽きたら、いつでも呼んで?
リラちゃん」
そう言って涼宮さんはヒラヒラと手を振りながら車に乗り込み、警察庁へと戻って行った。