【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第32章 Precious
衝撃的なカミングアウトに、そう言った話には疎いわたしはぶつぶつと頭の中で考えている事を言葉にしてしまう。
「女の子とエッチ…女の子と…考えたことなかった」
目から鱗の世界に、わたしはどうやってするんだろう?と無駄な想像をしようとするが、
それはすぐに零にバレて、ビシッとわたしの頭に軽くチョップを入れながら怒り出す。
「こら。新しい扉開いたみたいな顔しないでください。
女の子でも絶対ダメ。
僕だけしか見ないで」
「零だけしか見てないよ!
…でも、女の子と…どうやってするんだろう!?」
「…僕に聞かれてもな」
そんな気まずいことこの上ない質問をされた零は、目線を右上に向けて誤魔化すように笑った。
懲りていないわたしはそんな零にまた気まずい質問パート2をぶつける。
「それに、普通のSEXに飽きたらって…
普通のSEXって例えばどんなの?」
純真無垢な目でそう聞くわたしに、零は不敵に笑いながらわたしの耳元で囁いた。
「…心配しなくても、僕が普通じゃないSEXを手取り足取り教えてあげますよ」
「え…いや、そう言う話じゃ…」
そう返事をしながらも、わたしは思った。
と言うことは、いつも零にやられてるアレやコレは全部 普通 なの!?!
あんなに恥ずかしいことも普通?!
普通じゃないエッチって、どれだけハードル高いの!!!
「悪いけど、今日からしばらく寝れないと思っておいてください」
「こっ!困るよ!
それはめちゃくちゃ困る!!」
いつもので十分だから!と、あわあわと狼狽えるわたしを見て、零はフフッと笑う。
「女の子とするよりも、何百倍も気持ちいいこと、してあげるよ」
「べ、別に女の子としたいなんて言ってないでしょ?」
「ほら、帰りますよ。タクシーで。
この腕じゃ運転できないから、RXは風見に転がしてもらうよ」
「ちょ、零!?わたし本当に女の子としたいなんて思ってないからね?!」
なんか激しく誤解された気がする!!
こうして、少しの疑惑を残しながら、初めて現れた恋のライバルとの戦いは幕を閉じた。
「で、零さん。腕は大丈夫なの?」
「それ聞くの、遅いです」
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