【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第31章 警察官に相応しい彼女 ☆
すると、リビングのソファーで、スーツを着てネクタイを持ったままの零がうたた寝しているのを見つけた。
「零!…寝てるの?」
ユサユサと零の肩をゆすると、長いまつ毛がぱち…と開いてわたしの顔を見た。
「はっ…スーツ着ながら寝てた…」
「ええっ!」
はぁーっと顔を手で覆いながらため息をつく零。
珍しい。零が朝準備しながらうたた寝するなんて…
そう思っていると、零はわたしの腕を掴んで自分の方へ引いたあと、ぎゅっと抱きしめながら髪を撫でてくれる。
「起こしてくれてありがとう」
「ううん?…あの、涼宮さんが来てるよ?」
「あぁ。そうか迎えに来たのか…」
そう言って零は頭を手で押さえたままゆっくり立ち上がり、ネクタイを首にかけた。
それを結んであげると、零は笑ってわたしに言う。
「ありがとう。
今日は遅くなると思うから、先に寝てて?」
「うん…
ねぇ、零。もしかして昨日寝てない?」
零の顔がいつもより少し疲れているように見えた。
「あぁ。仕事してたら気付いたら朝で…」
「そんなに忙しかったの…?
わたし、全然知らずに昨日あんな…」
零が仕事するからダメって言ったのに、わたしは強引に誘って結局最後まで…
「リラのせいじゃないよ。
僕が自分の管理を出来ていなかっただけ」
「でも…」
「嬉しかったよ。物凄く。
リラが僕を求めてくれて。
だからそんな顔しないで?」
そう言って零は、優しく微笑みながらわたしの髪を撫でた。
零を求めたのは、ただ、涼宮さんに取られたくないっていう独占欲からだ。