【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第31章 警察官に相応しい彼女 ☆
ピンポーーン
「ん…」
朝、誰かが押したインターフォンの音で、わたしは目を覚ました。
気付けば裸のまんま眠っていたわたしは、布団を身体にくるませたままむく…と起き上がる。
誰?ふと時計を見るとまだ朝7時。
そして隣を見ると零の姿はない。
ピンポーーン
「はぁーい」
催促されるようにまたインターフォンを鳴らされ、わたしは寝ぼけ眼のまま部屋着のワンピースを頭からかぶる。
そして玄関に向かうと、チェーンをつけたまま恐る恐るドアを開けた。
「はい?」
そしてそこにいた人物の姿を見て、わたしの身体はピシッと固まる。
「降谷くん、いる?」
「す、涼宮さん…?!どうして…」
「あぁ。オートロックは、他の人が入るタイミングで…」
「そうじゃなくて!どうして零の家を?」
「管理官に聞いたの。
今私、彼とバディ組んでるから。
で、降谷くんは?」
そう言えば、零はどこだろう?
ベッドにはいなかったし、部屋を見渡す暇もなく玄関まで歩いてきたから、零の姿を一度も見ていない。
もしかして、もう外出した?
けれど一応家の中見てこようかな…
「ちょ、ちょっと待っててください」
そう言って一度ドアを閉めた後、さすがに玄関前で待ちぼうけさせるのは…と思い直し、ドアとチェーンを開けた。
「中でお待ちください」
「ありがとう」
あー…もっとちゃんとした格好で出て来ればよかった…
まさか涼宮さんが来るなんて思ってなかったわたしは、今の自分の格好のラフさにガクッと肩を落とした。
涼宮さん、綺麗にしてたな…
スーツをバシッと着て、メイクもばっちり。
油断した…
と、ライバル心を剥き出しにしながら、リビングへと戻った。