【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第31章 警察官に相応しい彼女 ☆
安室side
電話口の涼宮は、今僕が言った言葉をそっくりそのまま繰り返した。
「日曜のチャリティーイベント?」
「あぁ。芝浜スタジアムの森林公園で開催されるらしい。」
「待って。調べるから…
あぁ。これね?当日はバザーや募金活動、テレビ番組の生中継に人気アーティストのライブ…
すごい人数が集まりそうね」
「恐らく、そこがテロ組織のターゲットだ。
管理官にこのことを伝えてくれ。
僕は警備体制について検討してみる」
「了解」
ピッ。
僕は、リラが少しでもテロに巻き込まれないようにと、今週末のリラの予定を聞いたのだが、思いがけずそれがテロのターゲットそのものだったとは。
リラにはライブを辞退してもらいたいが、後一週間を切っている今、難しいだろう。
チャリティーイベントを中止しても、きっとまたどこかでテロが計画される。
このイベントでテロ行為を行おうとしている人間を突き止めて捕まえる。
それしかない。
忙しくなりそうだ。
そう思いながら、リビングに戻るとリラが僕の方へ近づいてきて、きゅっと僕の袖を掴んだ。
「?どうした?」
「…零、涼宮さんって、この間会った同期の?」
「そうだよ。」
「一緒に仕事してるんだ…」
「今日からな。」