【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第31章 警察官に相応しい彼女 ☆
とりあえずこのテロ組織に通じると思われているブラックリストを片っ端から当たるか…
そう思いながら車に向かっていると、隣に着いてきた涼宮が僕の顔を覗き込んだ。
「驚いた?私が公安に出向なんて」
「いや?」
「なーんだ。つまんない。
もっと驚くと思ってたのに」
「そんなことより、今週末の…」
「わかってる。
わざわざSNSにテロ予告を出しているってことは、何か大きなイベントの混乱に乗じて派手にやる気かしら」
「あぁ…けど、大規模なイベントなんて、あったか…?
サミットはもう終わったし…」
「それを見つけるのが、私たちの最初の仕事でしょ?
じゃ、行きましょう」
そう言って涼宮は僕のRX-7の助手席に乗り込んだ。
まるで当たり前みたいに乗るんだな…
リラを初めて乗せた時は、ものすごく遠慮してたっけ…
不意にリラのことを思い出して、ふっと緩んだ頬を、僕は慌てて元に戻して運転席に座った。