【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第30章 ジェラシーの温度 ☆
隣にいるリラを恐る恐る見ると、口をへの字に曲げながら、むすっと鼻から息を吐いた。
「リラ?怒ってる?」
「怒ってないです」
ふんっとそっぽを向くリラ。
めちゃくちゃ怒ってる…
嬉しさ半分、やり過ぎた後ろめたさ半分
僕はリラの髪を撫でながら謝った。
「リラ…ごめん。ちょっとやり過ぎたな」
「っ…零、すっごくヘラヘラしてた」
「ヘラヘラ…」
「胸くっつけられて、嬉しそうだった!」
「そう見えた?」
「…もう知らない!寝る!」
全く悪びれもせずそう言う僕に、リラはふんっとそっぽを向き、中居さんが敷いてくれた布団の方へ向かう。
「え?露天風呂、一緒に入るんじゃないの?」
「入らない!」
そう言うと、ガバッと布団の中に潜り込むリラ。
リラの身体で盛り上がった布団をよく見ると、ふるふると震えている。
あ…しまった。やり過ぎた。
そう思った僕は、布団越しにリラの身体を抱きしめた。
「リラ…」
「零のばか」
「ごめん。
リラが妬いてるの、顔見てすぐに分かったから、もっと妬いてほしくて…意地悪した」
「ひどい…」
「ごめんな?
…一緒に風呂、入りたくない?」
そう聞くと、リラはもぞ…と顔を出して潤んだ目で僕を見た。
「…ずるいよ…入りたいに決まってる…」
その表情が色っぽくもあり、可愛くもあり、ますますリラ以外に欲情するなんて有り得ない。という気持ちになった。
「僕がどれだけリラが好きか、風呂の中でたっぷり教えてあげる」
そう言いながら、浴衣姿のリラを抱き上げ、露天風呂の入り口まで連れて行くと、しゅる…と帯を解く。