【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第4章 君の近くに
安室side
家に着いたのは24時手前だった。
明日はポアロの日だ。
一日、警護はできないけど大丈夫だろうか。
「リラ」
「はい?」
「明日は僕、ポアロの日なので多分送迎とか護衛ができないと思いますが…」
「もちろんです!
ずっとわたしに着いていて貰うの、申し訳なさすぎます…」
そう言ってリラは本当に申し訳なさそうに眉を下げた。
そんなこと、思わなくていいのに。
今の僕のミッションは、君を守ることなんだから。
「じゃあ、これ」
僕は降谷と安室両方が入っている名刺入れから、安室透の名刺を取り出した。
リラは首を傾げながらそれを受け取る。
「僕の番号が書いてあるので、もし危険な目に合いそうなら、着信を飛ばしてください。
すぐに飛んで行きます」
そう言うと、リラは驚いたように目を見開いた後、顔を赤くして俯いた。
前から思っていたけど、やたらと可愛い反応するな…
こんなの、言われ慣れてるだろ?
確か蘭さんが言っていた。
「Lilaは、実体験を歌にする歌手」だと。
今まで散々恋愛もしてきているだろうし、何より芸能界ってなんとなくダークなイメージがあるから、こんなふうに顔を赤くしたり俯いたりするのは意外だった。
名刺を受け取ったリラは、少しだけ考えたあと、じっと僕の目を見ながら言う。
「安室さんは、誰にでもこんな風に優しいの?」
あぁ…そういえば、元彼女にもそんなこと言われたな。
誰にでも優しい。
そう思われたからフラれたのか。
そう思われたから、一番大事な人になれなかったのか。
本当に好きな子以外に、優しくしちゃダメなのか。
確かに、赤井秀一はそういうタイプだもんな。
好きな女以外は邪険にするタイプ。