【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第30章 ジェラシーの温度 ☆
部屋の名前は、全室お花の名前が付けられている。
わたしたちの部屋は「菖蒲」と言う部屋だった。
中居さんに通されて中に入ると、広い和室に通じるテラス。
そしてテラスの端には露天風呂が付いている。
「お風呂だ!」
まるで子供みたいに部屋の中を駆け回る姿はとても今話題のアーティストには見えないだろう。
そんなわたしを捕獲するみたいに、零にギュッと抱きしめられた。
「零?」
「いいの?夕食、2人きりじゃなくて」
「うん!わたしも、零の警察学校時代の話聞きたいし!」
「…余計なこと喋らないように釘を刺しておかないと」
「なーに?余計なことって!」
そう言いながら笑い合った後、零と目が合った。
そして、ゆっくりと唇が重なる。
「ん…」
「…夕食までに、リラにたくさんキスすることにするよ」
「お腹いっぱいになっちゃうよ…」
そう言ったわたしに、零は容赦なくキスを繰り返す。
ちゅ…
チュッ…
零のキスは魔法のキスだ。
触れるだけで、幸せが溢れて苦しいぐらい。
キスといえば…
さっきの3人を見て、疑問に思っていたことが言葉になって口から出てきた。
「あ。そう言えば。
どっちが涼宮さんと付き合ってるの?」
「え?」
もう一度わたしにキスをしようとしていた零が、突然の質問に思わず動きを止める。
「3人でいた時、それぞれ親密そうにしてたから。
どっちかが恋人同士なのかなって」
「あぁ。あの3人は3人でそう言う関係」
「ん??3人で??」
「…いや、君は知らなくて良いよ。
純粋な君が汚れる…」
「え?!なに?どういうこと?3人?」