【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第30章 ジェラシーの温度 ☆
隣にいた真壁さんに同意を求めると、真壁さんは涼宮さんの頭を撫でながら言った。
「まあ、確かに俺も降谷と話したいかも」
「ほらー!ね?いいでしょ?」
半ば強引にそう言われ、零は困ったように眉を下げた。
「いいんじゃない?」
「ええ!?」
隣にいたわたしから発せられた言葉に、零は慌ててわたしの顔を見た。
わたしの悪い癖なのかもしれない。
芸能人だから、つい他の人がいるといい顔をしてしまうというか、良い人を演じてしまう。
「夕食だけだし、こんなに話したいって言ってくれてるんだから。
それに、夕食以外は2人でいるでしょ?」
「…わかった。ありがとうリラ。
いいよ。一緒に食べよう」
わたしの髪を撫でたあと、零は3人に向かってそう言った。
「やったあ!」
涼宮さんが嬉しそうにバンザイをしながら、隣にいる大澤さんに抱きついた。
さっき、真壁さんに頭ポンポンされていたから、2人は付き合ってるのかな?と思っていたけど、大澤さんにこんな風に抱きつくってことは違うのか…?
よくわからない不思議な関係の3人を観察する中、零は中居さんに夕食の件を伝える。
「すみません、この人達の分も僕たちの部屋に持ってきてもらえますか?
全部で5人分」
「かしこまりました。
お時間は19時でよろしいですか?」
「ええ。それでお願いします」
「かしこまりました。
では、安室様2名様のお部屋へご案内します。
こちらへどうぞ」
チェックインの手続きが終わったようで、中居さんはわたしと零の荷物を持ち、部屋へと案内を開始する。
「じゃあ、19時に僕たちの部屋に来て。
フロントに言えば、部屋の名前分かると思うから」
「あぁ。悪いな、降谷」
そう言葉を交わしてわたしたちは一旦3人と別れ、今日自分たちが泊まる部屋へと向かった。