【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第29章 零と過ごす2度目の夏 ☆
ビーフシチューは明日食べよう。
今日はこのまま零にくっついたまま眠りたい。
そう思っていると、零はわたしから腕枕を外そうとする。
「零?離れるのやだ…」
「スマホ取ってくるだけだから、待ってて?」
「わかった…」
名残惜しくも零の腕を離すと、零はわたしの頭をぽんぽんと撫でた後、スマホを取りにリビングへ向かった。
そして言葉通り、すぐにまた寝室に戻るとベッドの中に入る。
「リラ」
「ん?」
「一年間、一緒にいてくれてありがとう。」
「?…こちらこそ」
突然お礼を言われたわたしは、戸惑いながらもペコリと頭を下げた。
そんなわたしに、零は優しく微笑みながら続ける。
「色々あったけど、これからもよろしく。
…で、これは僕からのプレゼント」
そう言って零は、わたしに1枚の封筒を差し出した。
「プレゼント、さっきもらったよ?
バイブ…」
「あれは、冗談ですよ。
本気であれだけをプレゼントすると思いますか?」
いや、零ならやりかねません…と、心の中で返したものの、わたしは零がプレゼントと言ったその封筒の封に指をかけた。
「何が入ってるの?開けていい?」
「どうぞ」