【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第4章 君の近くに
「…はっ!」
思い出したように、わたしは目を覚ました。
「おはよう」
その声を辿ると、運転席で安室さんがハンドルを握りながらこちらをチラ見していて目があった。
「あ…れ。もしかして、寝てた?わたし。」
「はい。ぐっすりと。今は帰りの車の中です」
確かレコーディングが終わって、スタッフに挨拶して、安室さんにお待たせって言ったところまでは覚えている。
そのとき、大きな海みたいな香りがして…そこから寝てた!?
「あ、あの…車までは…」
「仕方ないので僕が抱き上げて運びました」
「た、大変ご迷惑をおかけしました…」
朝の失態からさらに失態を重ねたことを知ったわたしは、また顔が熱くなる。
恥ずかしすぎる…
レコーディングはものすごく体力を使うけど、これまでは辛うじてちゃんと家に着いてから寝落ちしてたのに。
疲れが溜まっている証拠だろうか…