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【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】

第4章 君の近くに




「お疲れ様でした。
ありがとうございました!」


ブースから、フラつく足取りでリラが出てきた。
当然だ。
昼ご飯も夜ご飯も食べていない身体でずっと全力で歌い続けていたんだから。


スタッフに挨拶した後、プロポリスののど飴を口に入れ、リラが僕の方へ歩いてきた。


「安室さん。お待たせ」

「いや、本当に…お疲れ様…」


僕がそう言いかけたとき、前からリラの身体がゆら…と倒れてきて、そのまま僕の腕の中にポスッと収まった。


「え!?リラ…!?」


まるで気絶したように倒れて来られ、焦った僕は自分の腕の中に居るリラを見た。


すると、
すー…すー…と寝息を立てている。


「ね、寝た…?」


困惑する僕の隣で、山岸さんが言う。


「珍しいな。
いつもは家に帰るまではちゃんと起きてるのに。
相当疲れが溜まっているのかもしれないなあ」


ストーカーの件があって、さらに突然知らない男と暮らすことになったのだから、ストレスを抱えるのも当然か…


それにしても、こんな命を削るようにして歌を歌うのか…この子は。

腕の中でまるで充電が切れたように気を失って眠っている歌姫を、僕は無意識のうちにぎゅっと抱きしめた。


何をやっているんだろう。僕は…

そう思う気持ちとは裏腹に、僕の腕はリラを抱きしめる力を強める一方だった。

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