【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第29章 零と過ごす2度目の夏 ☆
安室side
緊急会議が終わったのは、22時だった。
警察庁を出る時、今から帰ると連絡するためにリラに着信を飛ばしたけれど、出ない。
「寝てるのか」
そう呟き、LINEを一本入れると僕は愛しい彼女が待つ自宅へと車を走らせた。
自宅マンションに着いたのは23時。
あと1時間で日付が変わる。
今日は早く帰れると思ってたんだけどな…
そうため息をつきながら自宅のドアを開けて中に入ると、シーンとした静寂が帰ってきた。
リビングの明かりはまだ付いている。
「リラ?ただいま」
そう呼びかけるが返事はない。
やっぱり先に寝たのか。
まあ、先に寝ててって言ったのは僕だしな。
僕は首元のネクタイを緩め、ジャケットを脱ぐとソファーの背もたれにそれを掛けようとした。
そのとき、ソファーですやすやと眠っているリラが目に入って来た。
「ソファーで寝てたのか…」
それに、いつも僕が使っているクッションをぎゅーっと抱きしめながら、むにゃむにゃと何か寝言を言っている。
可愛いな…僕の彼女は。
そう思いながらニヤける口元を手で押さえ、リラの髪を撫でた。
「リラ?」
「んー…」
「ソファーで寝たら風邪ひくよ」
「…れい…のバカ」
「ば、バカ???」
寝言で突然バカと罵られ、どんな夢を見てるんだ…とリラの頭を撫でると、おでこに触れられたリラがぱち…と目を覚ました。
「…ん…零?」
「起きた?ただいま」
「おかえり……っ!!今何時?!」
僕の顔を確認するや否や、リラはガバッと身体を起こして部屋の時計を確認する。