【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第28章 苦しみのその先に
安室side
「ん…リラ…?」
何度かキスをした後、いよいよリラの胸に手を伸ばした時、ふと気付くとリラからすやすや寝息が漏れている。
まさか…
ガバッと身体を起こしてリラの顔を確認すると、目を閉じたままだ。
「ね、寝た?」
そう呼びかけるも返事はなく、あるのはふにゃふにゃと言葉にならない寝言。
ベッドでしたい。
なんて、僕を思いっきりその気にさせておいて、当の本人は夢の中。
幸せそうに眠っている。
まあ、仕方ないか。
復帰してから毎日忙しくしているし、少し心配だったところだ。
しっかり寝かせてあげよう。
「おやすみ。僕の愛しいお姫様」
まるで充電が切れたみたいにぐっすりと眠るリラの頬にキスを落とすと、布団を肩までかけ直してやり、僕はベッドを出た。
お姫様なんて、キザすぎた?
リラといると、どんどん僕の甘みが強まっていく気がする。
バーボンの時は出ないようにしないとな…
そんな反省を1人でしながら、リビングに散らばったリラの仕事の資料を片付けた。