【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第28章 苦しみのその先に
リラに手を出せない風呂の中は、ある意味戦場だった。
後ろからリラを抱きしめる形で湯船に浸かった僕は、ついリラの胸の方へ手を伸ばし、慌てて引っ込める。その繰り返しだ。
そんな僕の葛藤はつゆ知らずのリラは、楽しそうに手で水鉄砲を作り、僕の顔に飛ばしてくる。
「えい」
「ぶっ…こら。悪い子だな」
そんなリラをやめさせようと、さっきより後ろから抱きつく力をぎゅっと強めると、僕の腕にふに…とリラの胸の膨らみが潰された。
思わず自分の股間が反応して、慌ててバレないように腰を引く僕。
ある意味拷問だ。
リラに手を出せない時は、一緒に風呂はやめておこう。
そう大反省してお風呂を終えた僕たち。
髪を乾かしてようやくベッドへ…と思いきや、リラのスマホが鳴った。
どうやら仕事のメールらしく、リラは即座にスマホに飛び付く。
「え!もう出来たの!?」
届いたメールを見てそう言うリラは、慌ててPC開いた。
「ごめん。ちょっとだけ仕事するから、零先にベッドに入ってて?」
「ん…わかった。」
まあ、仕方ない。
これまで数ヶ月仕事をしていなかったわけだしな…
そう思って僕はまるでおあずけを食らった飼い犬のように大人しくベッドに入り、本を読みながらリラを待った。