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【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】

第27章 母と娘




「雨宮リラ、ここにいるでしょ?」

「…は?」


突然リラの本名を呼ばれ、一瞬動揺したのが顔に出ていたと思う。

すかさずその女性は僕に詰め寄ってくる。


「いるでしょ??」


その圧に、まるで刑事に取り調べられる容疑者のような気分になりながら、その女性の勢いに後退りをする。

というかこの人、まさかリラの熱烈なファン…?
自宅がバレたということか…?

一瞬そう思ったが、ふと僕の頭にある考えが浮かんだ。

…ん?なんかこの状況、デジャビュだ。

確かあれは…リラの兄が突然訪ねてきたとき…


そう思っていると、いつの間にか起き上がってきていたリラが、目を擦りながら僕の名前を呼ぶ。


「れーい…10秒たったよー」


可愛い声でそう言った後、じーっと僕たちの様子を見ながら、突然目を覚ましたように声を上げた。


「えっ!!?お、お母さん?!!」

「…え?おか…」


お母さんという単語を、僕は思わず譫言のようにリピートした。
その意味を理解するのに、5秒はかかった。


その女性は、サングラスを外しながら上機嫌で笑いながらリラを見た。


「リラー!ほらあ!やっぱりいるんじゃないー!」

「なんでお母さんがここに!??!」


1人置いてけぼりを食らっている気分の僕は、リラとお母さんと呼ばれたその女性を交互に見ながらもう一度ぽつりとこぼす。


「…リラのお母様?!」



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