【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第26章 謎に包まれた黒の話 ☆
でも、ヤバい組織に潜入って、零の仕事は本当に常に危険と隣り合わせなんだと再認識する。
「謎に包まれた大きな犯罪組織だよ。
違法取引や暗殺なんかを全世界を股にかけて行ってる。
アメリカではFBIやCIA、イギリスではMI6、その他各国の諜報機関がその組織を追いかけてるんだ。」
「そんなに、危ない組織を追う仕事なんて、
零…大丈夫なの?
危険な目にあったりしない?」
大丈夫だよ。
そう言ってほしくて、縋るような眼差しで零を見ると、零は少しだけ迷った後わたしの髪を撫でながら話す。
「あぁ。言うか迷ったけど…
ヒロの殉職も、この組織が深く関係してる。」
「ヒロが…?」
「あぁ。ヒロもその組織に僕と一緒に潜入していた。
だけどそれがバレそうになって、それを隠蔽するために自分で…」
「そんな…」
ヒロの殉職の真相が、そんなに悲しいものだったなんて。
ショックを受けると同時に、零ももしかしたら命の危険にさらされることがあるんじゃないかと途端に不安になる。
そして、申し訳なくなった。
「ごめんね、零…」
「?なにが?」
「そんな命懸けの仕事をしてる零を、わたし疑った。
零がわたしのこと裏切るはずないって、冷静に考えたらわかるのに…
信じなくて、ごめん」