【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第26章 謎に包まれた黒の話 ☆
零から発せられた言葉は、予想を大きく超えていた。
「まず簡単に説明するよ。
あの女性とは、ホテルのバーで飲んでいて、酔っ払ったようだから部屋まで送っただけ。
もちろん何も手を出していないし、男女の関係はない。
あの後すぐに部屋を出てこの家に帰ってきた。
リラのことが大切だから、僕は誓って浮気はしてない。
それだけまず、信じて?」
「…うん。わかった。
何もなかったんだね」
「ない。断言できる。」
そう言う零の目は、とても嘘をついているようには見えず、完全にわたしの誤解だったと言うことを悟った。
「そっか。
…じゃあ、どうしてバーで一緒に飲んでたの?
仕事の同僚って感じでもないよね?」
「…いや、ある意味同僚なんだ」
「え?」
見る限り外国人に見えたけど、公安警察の同僚?
とてもそんなふうに見えなくて、わたしは首を傾げて零を見た。
その疑問は、零の次の言葉で解消される。
「ヤバい組織に潜入捜査してるって、前に言ったことあるだろ?
その組織の幹部の女。
それがこの写真にうつってるこの人。」
「組織…」
そう言えば、昨日そんな事を言っていたのを思い出した。