【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第26章 謎に包まれた黒の話 ☆
安室side
正直、リラを見つけた時泣きそうになった。
リラを傷つけてしまったことで、もう2度と僕の顔なんて見たくないんじゃないか。
もしかしたら、次に会った時には もう零のこと好きじゃない。嫌い。
なんて言われるんじゃないか。
そんな悪い想像ばかりしては、勝手に落ち込んでいた。
そんな僕を安心させようとしたのか、リラは車に入った瞬間僕にキスをしてくれた。
嬉しかった。とてつもなく。
まだ、リラの彼氏だと言っていいんだ。
僕のこと、愛しいと少しでも思ってくれているんだ。
そう思うと、たまらず僕からもリラの唇を奪いに行った。
何度も何度もキスをして、リラを感じた。
大好きなリラが、ちゃんと僕の隣にいることを。
そして散々キスをした後、車を走らせて自宅へと戻って来た。
二人で選んだ、二人の家に。
「…ただいま」
出て行った手前、少しだけバツの悪そうな顔をして玄関に足を踏み入れたリラ。
「おかえり。
よかった。帰って来てくれて。」
リラに早く全てを話したい僕は、早々にその話を切り出そうとしたが、
「ねぇ、話なんだけど、寝る前にベッドで聞いてもいい?
…お風呂とか全部済ませた状態で聞けたら嬉しい」
「わかった。」
「ありがと。じゃあ、先にお風呂入るね」
そう言ってリラが脱衣所に向かうのを見送った後、僕はリビングに戻り、部屋の片付けをして時間を潰した。
しばらくするとリラがシャワーから戻り、今度は僕がシャワーをあびたあと、リラが待つベッドへと向かった。
同じ布団の中に胸から下だけ入れると、リラはそんな僕にぎゅっと抱きつきながら甘えてくる。
「ぎゅってしながら、話して?」
「いいよ。おいで?」
そう言って手を広げると、リラは嬉しそうに僕に擦り寄って来た。
良かった。リラに嫌われたわけじゃなさそうだ。
ホッと胸を撫で下ろした後、僕は覚悟を決めてリラに例の組織のことを話し出した。
何があっても、リラを守り抜くと言う強い覚悟を胸に。