【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第26章 謎に包まれた黒の話 ☆
リビングのソファーに座り、ヨーコちゃんが淹れてくれた紅茶を飲みながら、ことの顛末を説明した。
「なるほど…ホテルに他の女の人と…」
「写真はあったし、間違いないと思う…」
「…リラさんは、もし浮気されてたら今の彼と別れるんですか?」
突然核心をついたヨーコちゃんからの質問に、わたしは固まる。
一般的には浮気されたらそりゃ別れるよね?
でも…
「…無理。別れるなんて無理…
だってこんなに好きなんだもん。
もし浮気されてたとしても、わたしが本命ならそれでいいって思っちゃう。
だからこそ、つらい…隠し事されてることも、他の人とホテルの部屋に入ったのも。
好きすぎるから、つらい…」
そう言って顔を手で覆うわたしを見て、ヨーコちゃんが言う。
「…リラさんにそんなに思われてる彼氏が、浮気するとは思えないんですよね」
わたしだってそう思いたい。
だけど、写真があるんだよ?
ホテルの部屋に女の人と一緒に入ったんだよ?
その後もし何もなかったとしても、それだけで物凄く複雑だよ。
ピリリリ
2人して悩みながら難しい顔をしていると、わたしのスマホが突然鳴った。
画面を見ると 降谷零と表示されている。
「っ…零だ…」
「出た方がいいですよ」
「でも…」
「ちゃんと話さないと。」
ヨーコちゃんに後押しされ、わたしは恐る恐る通話ボタンをタップした。