【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第26章 謎に包まれた黒の話 ☆
え…そんな、嘘でしょ?
だって昨日は、夜遅くまで仕事して帰ってきてわたしの作ったご飯を美味しいと言って食べてくれ…
そこまで思い出してハッとした。
昨日、零から違う匂いがしたことを。
高級そうな香水のいい匂いがすると零に伝えたとき、零は不自然に身体を話して気のせいだよとはぐらかした。
まるで、嘘ついてるみたいだった。
「…Lila。とにかく、安室さんとちゃんと話して。」
「ま、待ってよ。
まだ浮気って決まったわけじゃないし、わたしがこの目で見たわけじゃないもの」
そう言うと、山岸さんはスッと一枚の写真をテーブルに置いた。
山岸さんがさっき言っていた、
零がプラチナブロンドの女の人とホテルの部屋に入るところが写っている写真を。
「ごめん…こうでもしないと、信じてもらえないと思って」
「…うそ…」
そこに写っているのは、確かに大好きなわたしの恋人、降谷零だ。
じゃあ、山岸さんの話は本当なの?
でも、零に限ってそんな事…
きっと、依頼人かなにかで他の人に聞かれたくない話をホテルの一室でしていただけだ。
きっとそう。
呆然としながらその写真を山岸さんから受け取ると、ちゃんと話してみる。とだけ言い残し、フラつく足取りでカフェを後にした。