【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第4章 君の近くに
そう思った僕は、リラから身体を離そうとするが、ギュッと抱きついて離れない。
仕方ないな…
自分に抱きつくリラの髪を撫でながら、精一杯手を伸ばして洗面所の棚に置いてあった殺虫剤を取り、シュッと蜘蛛に吹きかけた。
君には罪はないけど、ごめんな…
そう思いながら蜘蛛を退治した僕は、リラに言う。
「ほら、もういないよ。退治したから」
「…ほんと?」
涙目になりながら僕の顔を上目遣いでじっと見ながらそう言うリラ。
ものすごい破壊力だ…さすが芸能人。
「本当です。…だから、その…離れてもらっていいですか?」
僕がすこし気まずそうにそう言うから、リラはハッと自分の姿を見た。
ようやく、下着姿のまま抱きついていたことを自覚したリラはボッと顔を赤くしてタオルを巻き付いて座り込んだ。
「…じゃあ、リビングで待ってるから」
「あ、はい…ごめんなさい」
そう言い残してパタリと洗面所のドアを締めた後、僕は、はああ…とため息を付きながらその場に座り込んだ。
「危ない…」
熱くなった顔を片手で覆い、、ふーーーと上がる息を吐いた。