【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第4章 君の近くに
生まれ持った才能なのか、不思議と人を惹きつける魅力がリラにはあった。
犯罪者の気持ちなんてわからないが、ストーカーがつくのも頷けるな…
それから他愛ない話をしながらランニングを続け、自宅に帰ってきた。
「シャワー浴びたい!」
「僕は後でいいので、先にどうぞ」
「いや、安室さんは家主なんだから先にどうぞ!」
「そうですか。じゃあ、一緒に入りますか?」
「…先に、シャワーいただきます」
リラは降参して先に脱衣所に入った。
昨日の夜もやったこのやり取りに、思わず笑ってしまう。
クールな子だと思ってたけど、割とムキになる節があるんだな…
今日はポアロもオフ。公安も非番。
一日中、リラの警護の日だな。
そう思いながら冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出してコップに注いでいる時、脱衣所の方から叫び声が聞こえた。
「きゃーーーー!!」
「!?」
尋常じゃない叫び声に驚き、僕は慌てて駆け寄って脱衣所のドアを開けた。
「リラ?どうした?」
「クモ!!!!」
ドアを開けた瞬間、リラが僕に抱きついてきた。
一瞬、ドキッと心臓が跳ねて思考がフリーズする。
クモ!?くも!?…蜘蛛か
ふと浴室のドアの方を見ると、小さい蜘蛛がちょこちょこと歩いている。
「リラ、小さいやつだから大丈夫ですよ」
「無理なの!わたし蜘蛛苦手なの…」
半泣きになりながら、僕に抱きつく力をぎゅっと強めるリラ。
ふと下を見ると、服を着ていない。下着姿だ。
マズイ…
僕だって、健全な男だ。
このままいたら、間違いなく身体が勝手に反応する。