【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第25章 わたしのじゃ無い良い匂い
安室side
夜、バーボンとしての仕事を終えた後、ベルモットをRX-7の助手席に乗せ、彼女が宿泊するベルツリーホテルに到着した。
「着きましたよ」
「ありがとう」
「すっかり、あなたの運転手ですね。」
「あら、運転手ならちゃんと時間ぐらい守って欲しいわ?
今日30分も待ちぼうけしたんだから」
そう言ってベルモットは車から降りた瞬間、細いタバコに火をつけた。
「すみません。ポアロのバイトが少し長引いてしまって」
今日も公安からポアロにバーボン、我ながらよくやるよ…
そう思いながら、家に帰ろうと車のギアを切り替えようとしたとき、ベルモットが助手席のサイドウィンドウをコンコンと叩いた。
「?何か忘れ物ですか?」
「ねぇ、ホテルのバーでお酒でも飲んで行かない?」
「…すみませんが今日は…」
「あら?誰か別の女のところにでも行くのかしら?」
ベルモットにそう言われ、僕はハッと今日の昼に先輩から言われたことを思い出す。
この組織の人間に、リラの存在を悟られないようにしないと。
そう思ったことも。
少し帰るのは遅くなるが、仕方ない。
そう思い、僕はベルモットの誘いに乗ることにした。
「じゃあ、1時間だけ。
車停めて来ます」
そう言ってホテルの駐車場に車を停めた後、ベルモットとロビーで待ち合わせしてそのままバーへ向かった。