【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第25章 わたしのじゃ無い良い匂い
子供みたいで可愛くて、また僕の口から笑みが漏れる。
「ふ…。
ちゃんとお昼に食べるから。
ありがとう。早起きして作ってくれて。」
「うん!」
お弁当を受け取ると、リラはものすごく嬉しそうな顔をして僕を見た。
「じゃあ、今度こそ行ってき…
「待って!」
「…まだ何か忘れ物?」
「行ってきますのキスは?」
恥ずかしそうにそんなことを言うリラ。
キス、さっきしたけどな…
けれどあれは、行ってきますのキスではないもんな。
リラの髪を撫でながら僕の方を向かせると、再びリラの唇を奪った。
柔らかいリラの唇を感じてしまうと、仕事に行きたくなくなる。
ゆっくりと離すと、2人の唇からちゅ…という可愛い音が漏れた。
「じゃあ、行ってきます」
「うん。行ってらっしゃい」
リラの太陽のような笑顔が、玄関ドアが閉まり切るまで、ずっと僕のことを見送っていた。