【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第24章 この部屋で最後に ☆
焦った…
リラが奴らの手中に落ちたのだと思った。
安心した。と、同時に、僕はものすごい形相でリラを叱った。
「こんな夜に、どこに行ってた?!」
「え…下のコンビニにアイスを買いに…」
「っ…何かあったらどうするんだよ!」
いつもは見せない僕の怒った表情にビクッと肩を揺らしたリラ。
「で、でも。マンションのすぐ前のコンビニだし、人通りも多いから危なくないよ?
周りも街灯やマンションの光で明るいし…」
「っ…危ないだろ!!
リラに何かあったら…そう思うと…
頼むから今度から夜に1人で出歩くの禁止…
わかった?」
「ん…わかった。ごめん…」
基本的に温厚な僕にこんなふうに感情的に怒られたリラは、しょんぼりと下を向いた。
そんな顔させたいわけじゃないのに…
僕は突然申し訳なくなり、リラの身体をぎゅっと抱きしめながらリラの髪に鼻を埋めた。
「ごめん…リラ…好きだよ…
頼むから、どこにも行かないで…」
僕はただリラを守ることに必死で、重要なことは何一つ伝えられていなかった。
僕が普段どんな組織を相手にしているのかも、どうしてこんなに僕が、リラを心配しすぎているのかも。
僕の仕事は大半が秘密で出来ている。
そのことを、不覚にも再認識した瞬間だった。