【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第24章 この部屋で最後に ☆
リビングは、片付けがまだ中途半端に残った状態のまま残されていた。
まるで、片付けの途中で片付けをしていた人間が消えたような…
まさかな…
「リラ?」
頭に浮かんだことを信じたくなくて、必死に嘘だと思い込み、僕は寝室にドアを開けた。
きっと疲れて途中で放り出して眠っているに違いない。
そんな淡い期待は2秒で溶けた。
寝室のベッドの上にも、リラの姿はない。
「…っ…リラ…」
まさか、奴らに…
慌てて寝室を飛び出し、リラを探しにいこうと玄関ドアを開けた。
そのとき
「わ!びっくりした!!」
ちょうど外から帰ってきたリラと玄関で鉢合わせ、リラは目を見開いて僕を見た。
「零、帰ってたの?おかえり」
「…っ…リラ!」
思わず、僕はリラを力強く抱きしめた。
「えっ…?れ、零…?」
「無事?どこも怪我してない?」
「??ん、大丈夫だよ??
何?どうしたの?」
「っ…リラ…」
意味がわからないと首をかしげるリラを、僕は確かめるように何度も抱きしめた。