【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第24章 この部屋で最後に ☆
安室side
スマホに表示された着信元は
「ベルモット」
その名前を見て、僕は即座にリラの前から廊下へ移動してその電話をとった。
「もしもし」
「バーボン?ちょっと確認したいことがあるの。
今から会えない?」
「…出来れば日を改めていただけると助かるのですが」
「ジンからの指令の話もあるのよ。
今日じゃなきゃダメだわ」
「…仕方ないですね。わかりました。
今どこです?」
「杯戸町ショッピングモールのカフェよ。」
「じゃあ、今から迎えに行きます」
組織の指令の話もある
それを聞いてしまうと、先送りには出来なかった。
リラには申し訳無いけど、仕方ない。
この組織を潰すことは、回り回ってリラを危険から守ることにも繋がるから。
リラに、仕事で外出しなければいけなくなったと伝えた時、少しだけ寂しそうな顔をしたあと、笑って「仕方ないよね。」と言ってくれた。
寂しい思いを押し殺したような笑顔。
ごめんな…
この組織を壊滅させることができたら、トリプルフェイスのうちのひとつ、バーボンという顔は消える。
そうなれば、もっとリラとの時間を大切にできるようになるはずだ。
今だけ、我慢してほしい。
そう心の中でリラに謝りながら、僕は新居を出て行った。