【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第24章 この部屋で最後に ☆
そして、浴室のドアを開き、わたしから溢れ出た精液をシャワーで流すと、
肩を抱きながら、2人でゆっくりと湯船に浸かった。
零がわたしの身体を後ろから抱きしめて、顎を肩に乗せた。
「はぁ…」
ため息をついた零に、わたしは首を傾げて尋ねた。
「どうしてため息?」
「幸せだからだよ。
リラとこうして、一緒のお風呂に入ってるのが。
しかも、リラを抱きしめながら。
しかもリラを抱いたあとに…」
「もう…」
そんなダイレクトに言われると恥ずかしいよ…
そう思いながら、零の身体に倒れると、零は後ろからわたしの身体をぎゅっと抱きしめてくれた。
そして、お湯の中でわたしの手に零の褐色の手が絡んだ。
お湯の中で二人の体温が溶け合うのが思った以上に心地よくて、さっき零が幸せだと噛み締めた意味がわかる気がする。
「でも、確かにいいね。一緒にお風呂入るの。
恥ずかしいと思ってたけど、わたしも物凄く幸せ。
次の家はお風呂もっと広いかな?」
「多分広いと思うよ。毎日一緒に入る?」
「ま、毎日はダメ!」
「えー…」
即却下を下された零は、ちぇ…と口を尖らせてわたしの肩に顎を乗せた。
「だって、毎日一緒に入ったら、そのうち零、わたしに飽きちゃうよ…」
「飽きる気配なんて、全くないんだけどな…」
そんなことを、頬にキスしながら言われると、ついいいよ。って言ってしまいそうになる。
「わたしも、飽きる気配全然ないよ?
でも零には常にわたしにドキドキしてもらいたいもん。
だから…たまにならいいよ?」
「…じゃあ、たまにな。約束」
そう言って零の小指がわたしの小指に絡んだ。
「細い指」
そしてまた愛しそうにわたしの頬にキスを落とした零。
この家で過ごす最後の夜はこうして幸せな空気を纏ったまま静かに駆けて行った。