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【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】

第4章 君の近くに




「嘘です。それに、すっぴんも、綺麗ですよ」

「…っぇえ?!」

「僕は、カメラに向かってる顔より、そうやって喜怒哀楽が表に出てる今のリラの方が好きですよ。可愛い」

「…!!?」


綺麗?!か、可愛い!?
好き?!!

そんな、面と向かってはっきり言う!?
かああっと顔を赤くしてうつむくわたしを見て安室さんが驚いた様子で言った。


「可愛いなんて、言われ慣れてるでしょう」

「…芸能界は、可愛い子ばかりだから逆に言われないよ」

「へえ…そういうものですか」


そうだよ…それに、頭を撫でながら可愛いって言うなんて…
この人、誰にでもこんな事するの…?


そう思いながらじっと安室さんを見ると、安室さんはわたしが飲んでいた水のペットボトルを取りながら言う。


「僕にもください」

「え…だってそれ…」


わたしが飲んだやつだよ…
そう言う前に安室さんはキャップを開け、ぐっと水を喉に通した。

ごく…と、安室さんの喉仏が揺れた時、またわたしの心臓がドキッと鳴った。


間接キス…


23にもなって、間接キスにドキドキするなんてお子様にもほどがあるけど、
キス以上の経験が無いわたしにとって、十分すぎるほど胸が忙しかった。


胸中のパニックを、必死にクールな顔して隠してるわたし。
そうとは知らず、安室さんはすっと立ち上がりわたしの方へ手を差し出した。


「さ、残り半分、走って家に帰りましょう」

「うん…」


差し出された手を、ギュッと握ったとき、ドキッと胸が鳴った。
なにこれ…わたし、やっぱりおかしい…


そう思いながら、またランニングを再開した。


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