第23章 The Little Mermaid ☆

わたしの父は、政治家だったの。
当時の内閣外務大臣の古賀宗介。

小さい頃から、わたしも弟も、父が原因でよくいじめられた。

父はクリーンな政治家というより、どちらかとダークなイメージの強い政治家だったから。

街を歩いてるとね、見知らぬ人がわたしや弟を指差して言うの。

あんな男に育てられる子供なんて、ロクな子じゃない。

どこか世間とズレているに違いない。

なんて、ただの普通の小学生に、色んな人が冷たい視線を向けた。


結構、辛かったんだ…
子供ながらに、普通のお家に生まれたかったと何度思ったことか。

父はほとんど家に帰らず、わたしや弟のことは全部母に丸投げ。

母は、立派な子に育てないといけないというプレッシャーからか、わたしと弟に物凄く厳しかった。
そんな父も母も、嫌いだった。

唯一、わたしの心の拠り所だったのは可愛い弟。
お姉ちゃんお姉ちゃんって、わたしの後ろをずっとついてくるような本当に可愛い弟だった。

そんな弟と、父を道連れにして、母は自ら命を絶った。