第23章 The Little Mermaid ☆

安室side


「降谷さん！大変です！」


警察庁の自分のデスクで捜査資料をまとめているとき、風見が血相を変えて電話をかけてきた。


「なんだ？
もしかして、またLilaが下着姿で雑誌の表紙を飾っているとか言うんじゃないだろうな」


僕は今忙しいんだ。というふうに気だるそうに返事をすると、風見は切羽詰まった様子で続ける。


「Lilaさん関連なのは間違いないんですが…
とにかく！今からURL送るのでその記事を見てください！」


それだけ言い残し、風見は勢いよく電話を切った。

何だあいつ…そんなに慌てるなんてよっぽどだな…

ため息を付きながら、資料作成の作業を一時中断し、風見から送られてきたメールに書かれていたURLをクリックした。


すると、そこに書かれている見出しに僕の心臓がドクッと嫌な音を立てて跳ねた。


「歌姫 Lilaあの誰にも言えないヒミツ
実は政治家一家殺人の生き残りだった！！！」



「…なんだよこれ…」


そうポツリと零しながら、記事を読み進めていく。