第23章 The Little Mermaid ☆

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15年前、当時の外務省の外務大臣だった古賀大臣が、何者かに毒物を盛られ、公務中に遺体となって発見された。

そして同日、古賀大臣の妻が自宅のキッチンで、
大臣の息子は小学校の遠足中に
同じように毒物を盛られて殺害された。

古賀大臣が飲んだ毒物は、彼の持病のために持ち歩いていたピルケースの中の薬の一部が毒物にすり替えられていた。

妻が飲んだ毒物は、自宅のコップから。
そして、息子が飲んだ毒物は遠足のお弁当の中。


有名な政治家一家が同じ日にそれぞれ別々の場所での突然の死。
一時はテロも視野に入れた殺人事件として捜査された。

が、調べが進むと、真犯人は古賀大臣の妻。
妻による、一家の無理心中と断定された。

当時中東諸国で流行していたテロ事件に関しての古賀大臣の政策に国民からは批判の声が上がっていた矢先の事件で、報道後死してなお古賀大臣への批判は高まるばかりであった。

その心中事件で、家族の中で唯一生き残ったのは、
あの国民的歌姫、Lila
Lilaは名字を古賀から雨宮に変え、華やかな世界でスポットライトを浴びながら生きている。

何をしても注目される点は、実の父親譲りか、音楽活動やプライベートでの奔放さなど至るところで度々話題になるLila。
Lilaのあの笑顔の下は実は暗い過去を背負った悲劇の歌姫だったのだ。

彼女の母は、なぜ娘のLilaだけ殺さなかったのか。
真相はLilaの笑顔の奥の闇の中だ。


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