【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第22章 風邪引き彼女と過保護な彼氏
僕の身体に腕を回し、ぎゅっと抱きついて上目遣いに僕を見る。
リラの着ている部屋着越しに、柔らかい胸がむにゅ…と僕の身体に押し付けられた。
危うくその挑発に乗りそうになりながらも、ハッと我を取り戻し、リラを宥めるように言う。
「寝るよ?」
「何もしないの?」
「しない」
「…キスも?」
じ…っと目を見つめられながらそう問われると、僕の建前はあっさりと崩壊。
リラの頬に手を添え、上を向かせるとゆっくりと唇を奪った。
「んっ…」
ちゅ…というリップ音と共に唇が離れ、リラの髪を撫でてやると、リラは嬉しそうに笑った。
「風邪の時、誰かが看病してくれたの、初めてだった。
だから、嬉しかった」
「…?子供の頃とか、お母さんに看病してもわらなかったの?」
「…ん。離れて暮らしてたし、小さい時のこと覚えてないから」
「そう…。じゃあこれからも、風邪をひいたらこうして僕が添い寝してあげるよ」
その言葉を聞いて、リラは幸せそうにもう一度にこっと笑ったあと、ゆっくりと目を閉じた。