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【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】

第22章 風邪引き彼女と過保護な彼氏




ぱちっと目を覚ますと、隣にはPCで仕事をしている零がいた。
夢の中で、わたしに背を向けた零が、ちゃんとそばにいた。


「あれ?起きた?」

「零…」


目を覚ましたわたしに気づくと、零は微笑みながらわたしのおでこに大きな掌を乗せる。


「熱はまだあるな…お粥作ったけど、食べられる?」


まるで当たり前みたいにわたしのそばにいてくれる零がたまらなく愛しくて、さっきの夢も相まってわたしは思い切り零に抱きついた。


「零…」


零の腕の中は、世界で一番ホッとする場所だ。
この場所が無くなるなんて、夢でも勘弁してほしい。


「?どうした?」

「んー…なんか、嫌な夢見た」


そう言いながら零の匂いをふんふん嗅いで、今ちゃんとここに彼がいることを実感していると、零はわたしの髪を撫でながら笑った。


「よしよし。大丈夫だよ」

「ん…」


零に大丈夫と言われるだけで、わたしの心はすぐに軽くなる。
零に抱きしめられるだけで、ホッとして身体の力が全部抜ける。


「お腹すいただろ?お粥持ってくるから」


そしてわたしから身体を離そうとする零に、しがみつくようにわたしは抱きつく力を強めた。


「やだ!」

「…?リラ?」

「零はどこにもいかない?
わたしから、離れていかない?」

「いかない。
お粥持って、すぐに戻って来るよ?」


そう言ってゆっくりわたしの腕を解くと、零はPCを置いてベッドから降り、キッチンの方へ向かった。


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