【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第22章 風邪引き彼女と過保護な彼氏
安室side
しばらくキッチンに立ち、リラが食べたいと言った梅干し入りのお粥を作った。
「リラ、お粥が出来たよ」
そう言いながら寝室のドアを開けると、リラはベッドの中で顔と鼻を赤くしながらすやすやと眠りについていた。
ふーふーと寝苦しそうに息をするリラの冷却シートに触れると、もうすっかり熱を持ってる。
それを剥がして、新しい冷却シートを貼ってやると、一瞬冷たさで「んー」と唸りながらも、すぐに気持ち良くなったのか、またすぅ…と寝息を立て始めた。
「れ…い」
寝言で僕の名前を呼ぶリラ。
この間は、ヒロの名前を呼んでいたのをよく覚えている。
僕の名前を呼んでくれるようになったんだ。
そう思うと嬉しくて、僕は眠るリラの唇にキスをした。
風邪が移るなんてどうでも良かった。
むしろリラの風邪なら喜んでもらってやりたいぐらいだ。
すると、リラはもう一度僕の名前を呼んだ。
「零…ひとりにしないで…」
「リラ…?」
あまりにもはっきりとそう言うから、起きたのか?と思って顔を覗き込むけれど、瞳は閉じられたままだ。