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【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】

第22章 風邪引き彼女と過保護な彼氏




安室side

マンションの駐車場に停めてある愛車に向かいながら、僕はスマホを取り出して2か所に電話をかける。


「もしもし?」

「はーい?どうしたの?」


一人目は、ポアロの従業員で僕の元彼女だ。

業務連絡であっても、きっとこんな風に電話をかけるとリラは拗ねるだろうけど、緊急事態だから仕方ない。


「悪いんだけど、今日のポアロ代わってくれませんか?
彼女が熱を出したので、一緒にいてあげたくて…」

「いいよ!もちろん!!任せて?」


電話口の元彼女は、無駄に嬉しそうに返事をする。
きっと僕が新しい人との恋に踏み出せたことを、喜んでくれてるんだろう。


「埋め合わせは、また今度するから。
ごめんね。よろしく」


そう言って、電話を切った。
ポアロの方は、これでとりあえず今日は大丈夫だ。


そして次は風見に電話をかける。


「もしもし?降谷さんですか?」

「風見?申し訳ないが、捜査資料を僕のPCとスマホに送ってくれないか?
打ち合わせはWeb会議で頼みたい」

「ええ。わかりました。
では私はいつもの個室カフェから打ち合わせに参加しますので」

「ああ。僕は自宅から。
よろしくな」


幸い今は緊急で追わなければいけない事件はないし、仕事は家でも出来る。
これで今日一日、リラの様子を見ていられるな…

仕事にプライベートを持ち込むのは初めてかもしれない。
というか、プライベートを理由にして仕事の予定を調整したことなんて今まで無かった。


けれどたまにはいいか。
仕事第一だった僕が見つけた、唯一のやすらぎ、そして僕が唯一仕事と天秤にかけるもの。
それがリラなんだから。


そんなことを思いながらスーパーに向けてRX-7を発車させた。


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