【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第22章 風邪引き彼女と過保護な彼氏
危ない…
ポーカーフェイスでトリプルフェイスの公安警察
最近そのキャラが崩れてきている気がして怖い。
「熱測ろうか」
「はあい…」
そう言ってリラに体温計を渡してやり、リラは大人しくそれを脇に挟んだ。
しばらくして音が鳴って表示された体温を見ると案の定だ。
「38.7度か…完全に風邪だな」
「えぇ…今日仕事なのに…」
「山岸さんに連絡して、今日は休ませてもらったら?」
「ん…連絡してみる」
充電器にさしていたリラのスマホを取ってあげると、リラはんー…と唸り声を上げながらマネージャーに電話をかけた。
「もしもし山岸さん?
今日の仕事、予定ずらしたりできる?
ボイトレと取材と…あとなんだっけ…
風邪ひいちゃって、熱で動けそうになくて…」
そう言うリラの声は本当につらそうで、僕はベッドから身体を起こすと、リラのために蜂蜜を入れたホットドリンクを作ってあげた。
出来上がったドリンクをマグに注ぎ、ベッドまで持っていってあげると、電話を終えたリラが布団の中でモゾモゾしている。
「これ。ハチミツのホットドリンク。
喉、乾燥させないように…」
「助かる…ありがとう、零」
リラは眉を下げて、辛そうな顔で笑うと僕からマグを受け取り、少しずつそれを飲み始めた。