【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第22章 風邪引き彼女と過保護な彼氏
安室side
僕の毎日は、リラへのキスでスタートする。
朝、いつも起きる時間に目を覚ました僕は、自分の腕の中で眠るリラの寝顔を眺め、その頬に口づけを落とした。
もうすっかり朝の日課になっているこの行為だけど、今日はいつもと少し様子が違っていた。
キスをしたリラの頬が、異様に熱い。
「リラ…?」
思わずリラの名前を呼びながら顔を覗き込むと、リラはもぞ…と身体を動かしたと思えば、僕の身体に抱きつきながら、うーーと唸った。
「零ー…」
「どうした?辛そうだね」
「んー…なんか、頭痛い」
いつも寝起きは良い方のリラだが、今日は眉を顰めてなかなか起き上がろうとしない。
まさか…
僕は咄嗟にリラの前髪を手で上げると、額に僕の額をくっつけた。
「!?れ…い??」
突然顔の距離が数ミリになって驚いたリラの顔が一気に赤くなるけれど、くっつけたおでこから伝わるリラの体温が、明らかに自分の額よりも熱かった。
「…熱があるな…」
「今ので上がったと思う!
零のせいで熱出たよ!」
何度もキスをしているくせに、僕が顔を近づけただけでそんなに顔を赤くするなんて、どこまで純情なんだ。僕の彼女は。
…まあ、その純情は僕が奪ったんだけど。
と、心の中で一人で優越感に浸っていると、ハッと我に返りリラが熱を出していることを思い出した。