【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第21章 君は僕のもの
そしてOA当日
ご飯もお風呂も全て終わらせたわたしたちは、揃ってリビングのソファーに腰を下ろした。
「あー。わたしOA自分で見るのすっごく恥ずかしいんだけど…」
棒演技が零にバレちゃう…と、しょげているわたしの髪を、零が撫でながら優しく言う。
「大丈夫。リラの演技はそこまで注視しないから」
「?じゃあ何を見るの?」
「そりゃあもちろん。
演技とはいえ、僕のリラの唇を奪う輩が一体どんな顔をしているのかを。
そいつの顔を頭に焼き付けるためにね。」
と、零は黒い笑顔で笑いながら言う。
わたしに一度も向けたことのない、殺気立った目をしている零は、ドラマの冒頭が始まるや否や、わたしの身体を後ろからぎゅーーーっと抱きしめながら画面を睨む。
「れ、零さん!くるしい!」
「あ。ごめん。つい」
そう言ってわたしの身体を抱きしめる力を弱めたとき、画面にわたしの相手役の俳優さんが映った。
「へぇ?この男が川Pですか」
と、またわたしの身体をむぎゅーっと抱きしめながら画面をギロッと睨む零。
く、苦しい…
そう思いながらも、零の怒りを受け止めてあげるのが今日のわたしのミッションだ。