【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第21章 君は僕のもの
申し訳なさで俯いていると、零がわたしの頬に手を添えて、零の方へわたしの顔を向けた。
「いくつかお願いがあります。」
「なに?」
「…今日、100回キスしてもいい?」
零のお願いが想像以上に可愛くて、きゅんとした。
「いいよ?」
「明日も家を出る直前までキスしていたい」
「うん…」
「帰って来てからも、ずっとしたい」
「うん。しようね?」
そう言って笑うと、零は少しだけ苦しそうにわたしを見つめたあと、またぎゅっと抱きしめた。
「あと、明日からのOA、一緒に観よう?
リラのこと、僕の腕の中に抱きしめながら観たい。」
「み、観るの?」
「うん。観ないと色々と勝手に想像してしまいそうだし。
…リラのこと、抱きしめたまま、本当のリラは僕のことが好きなんだって、言い訳しながら観たい。
ダメ?」
「…ダメじゃない。
わたしが好きなのは、零だけだよ。」
零の目をじっと見つめると、綺麗な色の瞳にわたしが映ってる。
この目に、わたしだけしか映さないでとわたしが思うように、零も同じことを思ってくれてるんだね。
零はわたしの頬に手を添えて、片眉を下げて笑いながら言う。
「じゃあ、約束のキス。1回目」
そう宣言したあと、わたしの唇をゆっくりと奪った。
零の唇から、零の味がする。
きっとどんな映画よりドラマよりも、わたしはこのキスが一番ときめくんだろう。
この先もずっと。