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【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】

第21章 君は僕のもの




零と付き合う前から、よく2人でこんな風に謝り合っていたよね。
そう思っていると、零が懐かしそうに目を細めて同じことを言う。


「初めて出会って、一緒に住むことになった日にもこんなやり取りしたな」

「うん。わたしも、今同じこと考えてた」


そう言って笑うと、零はわたしの手を引いて腕の中に閉じ込めた。
零の腕の中は今日の朝に感じたばかりなのに、随分久しぶりな気がして泣けてくる。

良かった。
零が出て行ったときは、最悪の事態すら頭によぎったから。

零の匂いを目一杯嗅ぎながら、泣きそうになるのをグッと堪え、もう一度零に謝った。


「…零。ごめんね?
ドラマのこと、本当は零と付き合う前から決まってたの。
だけど他人から零の耳に入る前に、ちゃんとわたしから言うべきだった。」

「…いいよ。
僕も、リラの事情も知らずに、一人で怒って家飛び出して、本当に子供みたいなことして…」


そう言いながら、零はわたしを抱きしめる力をぎゅっと強めた。
いつも大人か零のそんな一面が見れて嬉しい。

そう思ってしまいながらも、わたしは零の背中に手を回して抱きしめ返しながら言う。


「ドラマ出演はこれが最後だから。」

「え…最後?」


その言葉を聞いて、驚いて抱きしめていた身体を離した零。
わたしは零の腰に手を回したまま続けた。


「うん。歌一本でやって行きたいし、それに…
零以外の人と、ラブシーンなんて無理だよ
今回のドラマだって、何度もNG食らってるし」

「…撮影はあと何回?」

「明日の夕方で終わり。
…キスシーンを撮影するのは明日が最初で最後。
ネタバレになっちゃうけど、最終回に一度キスするだけだから…」


そんなこと、言い訳にすらならないけど…
事実、零以外の人とキスしなきゃいけないわけだし。


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