【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第21章 君は僕のもの
零が出て行って、もう2時間以上経った。
わたしは居ても立っても居られなくて、零が帰ってくるのをマンションのエントランス前でずっと待っている。
許してもらえるまで、謝らなきゃ…
そう思いながら、何度も何度もシミュレーションをした。
人の気配がしたら「零?!」とそっちを見て、人違いで気まずく目を逸らす。
その繰り返しだ。
そんな時、マンションの駐車場に光が差し、もうすっかり聞き慣れたRX-7のエンジン音がした。
よかった…帰ってきた…
ホッと胸を撫で下ろしていると、車から降りてきた零はエントランス前で待っているわたしに気づき、驚いた顔をして言う。
「リラ…
外で待ってたのか…?
変装もしないで…!」
「っ…零」
心配そうにわたしに駆け寄ってくる零。
良かった…いつもの零だ。
いつも、わたしのことを一番に考えてくれている零。
わたしはそんな零に甘えていたのかもしれない。
「ごめんなさい!」
「ごめん」
わたしたちは2人同時に頭を下げた。
そして、それぞれいかに自分の方が悪いかを必死で説明を始める。
「僕が、ちゃんと寛大な心で理解しないといけなかったのに」
「わたしが、ドラマのこと話して無かったから…」
「いや、そもそも僕がいきなり怒って家を飛び出したのがいけなかった」
「零は悪くないよ!わたしが、零のこと傷つけた…」
両者一向に譲らない謝罪合戦に、わたしたちは顔を見合わせてフッと笑った。