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【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】

第21章 君は僕のもの




どうしよう…
零を傷つけてしまったみたいだ。

今回のドラマは零と付き合う前から決まっていた仕事で、これで最後。と事務所と約束して主演を務めることになった。

もともと、ミュージックビデオの演技すら苦手だったわたし。
女優業は向いてないと思っていたし、何より歌の仕事をもっとやりたい。

元々うちの事務所の方針は、沖野ヨーコのように歌もドラマもバラエティも全てこなせるマルチタレントを育成するのがモットーだ。

わたしの歌一本で行きたいという希望が受け入れられたのは、実は最近だったりする。


最後のドラマ出演。
だから、どんな内容でもやり切るしかない。

仕事だから。
そう思っていたけれど、零の立場になってみれば嫌だよね。

わたしが逆の立場なら絶対嫌だもん…

けれどドラマ出演を無しにすることはできない。
零にどれだけ謝っても、事実を変えることはできない。


「どうしよう…」


良い策が全く浮かんでこないまま、わたしは零が出て行ったドアの方をずっと見つめていた。


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