第20章 僕のこと好きだろ？　☆

「じゃあLila、明日はゆっくり休んで」

「はい！山岸さんお疲れ様でした！」


そう言って手を振りながら、自宅前で山岸さんの車が走り去るのを見届けた。

最近少し忙しかったんだけど、今日は珍しく21時に仕事が終わった。

本当はさらにもう少し早く終わる予定だったのだが、明日の打ち合わせの分も、今日一緒にしてしまうことになったから、逆に明日は1日オフ。

寝坊できるから今日の夜は久しぶりにゆっくりおうちで映画でも観よっと。
零とぎゅーってしながら！

そんな呑気なことを考えながら帰宅したわたし。


「ただいま！」

「おかえり」


LDKに入ると、零が笑顔でおかえりと言ってくれる。
この優しい笑顔に、仕事の疲れなんて全部吹き飛んじゃう。


「ねえ！わたし、明日一日オフになったの！」

「あれ？朝から打ち合わせって…」

「そうだったんだけど、今日まとめてやることになって、終わった！」

「…へぇ。
じゃあ、明日は少し寝坊できるんですね」

「うん！だからね、今日の夜はゆっくり映画でも見ない？
ヨーコちゃんが出てる映画がネット配信されてるから！」

「ふーん？何の映画？」


ニコリと優しい笑顔で、でもどことなく怖い笑顔で零が笑いながら近づいて来た。