【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第3章 金髪のボディーガード
男の人って、料理するんだ。
わたしがこれまで付き合ってきた人たちは、誰も料理なんてしなかった。
それに、ソファーかベッドどちらか選べと言われたら、自らベッドを獲りにいくようなそんな人ばかりだった。
もしかして…もしかしなくてもわたし、男見る目なかった???
今更そんなことを自覚しながら、キッチンに立つ安室さんを眺めた。
…誰にでもこんなに優しいんだろうか。
もしそうなら、安室さんの彼女は大変だね。
「何か?」
あまりにもじーっと見てたから、安室さんがたまりかねて聞いてくる。
「あ、いや…安室さんって、彼女いるの?」
「…いたら、流石に君をここに連れてきませんよ」
「そっか、そりゃそうだね。」
「…少し前に、別れました」
安室さんはそう言って、切なそうに笑った。
その悲しげな笑顔が、彼女のことまだ好きなんだ…ってわたしでもわかった。
こんないい人と別れるなんて、もったいないことするな…
そう思っていると安室さんも聞き返してきた。
「リラは?彼氏いないんですか?」
いつの間にか呼び捨てだし。
まあ安室さんのほうが年上みたいだから仕方ないか。
「いたら、流石にノコノコここに上がり込みませんよ」
「あはは。そりゃそうですね」
まるで、さっきの会話に韻を踏むように返すと安室さんはそれに乗ってくる。
「わたしも、少し前に振られたから。」
そう言うわたしは、どんな顔してるんだろう。
別れてスッキリした
全然後悔してない
多分そんな顔してる。