【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第18章 Love song
リラの指から鳴らされるギターの優しい音色
そしてリラの透き通る声がその上に乗っかる。
僕のために作った曲というのを楽しそうに心を込めて歌いながら、
時折僕の方を見て照れくさそうに微笑んだ。
アイなんて信じていなかったけれど、僕と出会って
まるで魔法みたいに一瞬が永遠みたいに感じられる
そんな歌を、歌っていた。
歌声を聴きながら、リラと初めて会ったときのことを思い出す。
あのときは、リラの歌で悲しい記憶が蘇り涙したけれど、今日は違う。
幸せすぎて、ため息が漏れた。
この歌声を、この子を、ずっと守っていきたい。
これまで何度も思ったことを、今改めて心に誓った。
歌い終わり、ギターの音色が静かに消えると、リラは恥ずかしそうに僕を見た。
「どう?一応、自信作」
「リラ。」
「うん?なに?」
首をかしげるリラの頬に手を添えながら、僕はリラの目を見つめて言う。
「ずっと一緒にいよう」
「…ずっとっていつまで?」
リラはじっと目を見つめ返しながら、僕を試してくる。
ずっとなんて、抽象的な言葉じゃリラの心には届かないみたいだ。
「100年後まで」
「ふ…生きてるかな…」
幸せそうに笑ったリラの唇に、僕はキスをした。
それは僕にとって、覚悟と誓いのキスだった。