【R18】 Begin Again【安室透/降谷零】
第18章 Love song
安室side
後日、Lilaの新曲「アイ」が無事にリリースされた。
発売したその日からヒットチャートを独占。
ポアロからの買い出しで街を歩いていると、僕はリラの凄さを改めて知ることになる。
街中に僕と撮ったジャケット広告が並び、スクランブル交差点のディスプレイにはPVが。
「ねぇ、Lilaの新曲いいよね!」
「うんー!前のアップテンポな曲も良かったけど、バラード最高!」
「でも、このジャケットの人、意味深に顔写ってないけど誰だろ?」
「Lilaのマジ彼とか?」
立ち止まって広告を見上げる僕のすぐ後ろから女子高生たちのそんな声が聞こえた。
顔は写っていないとはいえ、なんとも気恥ずかしい気分になる。
ポアロでは案の定、
「これって安室さんですか??」と、梓さんを始め、蘭さんや園子さん、それに他の常連客から、総数50回は同じことを聞かれた。
「さあ?誰なんでしょうねぇ」
なんてとぼけて見たけれど、多分得意のポーカーフェイスは保っておらず、僕の顔を見てすぐにバレた気がする。
ネットでも、このジャケットの男性はLilaの彼氏か?なんて話題を独占。
ある意味、Lilaのプロモーションは大成功という結果だ。
夜、ポアロの鍵を閉めて帰宅しようとした時、風見から突然電話がかかってきた。
「もしもし?どうした?」
「降谷さん!Lilaさんの新曲買いましたよ!
この写っている男性、降谷さんですよね!?ね?!
2種類のジャケット、それぞれ20枚ずつ買…」
ピッ
大興奮で電話して来た風見に、容赦なく途中で会話を遮り電話を切った。
まあ、ある種僕もリラの仕事の売上に貢献できたのか…?
嬉しいような、嬉しくないような…
と、風見からの20枚ずつ積んだ報告に複雑な気分になりながらも、僕とLilaがジャケットを飾った最初で最後のシングルは売上総数もMV再生回数も新記録を更新。
異例の大ヒットとなったのだった。
Nextc Chapter...
アイ/秦基博